「近寄られるのが迷惑……ってことはないから」


「え……」


「普通にしてて。普通に。これからもよろしくな、サクラん♪」


「う……」


その途端張り詰めてた糸が切れたみたいに、ポロポロと涙が零れた。

両手で顔を覆う。


「良かった……。嫌われたかと思った。……も、今までみたいに話しかけたりしたらダメなのかと思った……うわぁああん……」


子供みたいに泣きじゃくる。


「泣いたり、拗ねたり……演説したり。忙しい子やな、ほんまに。
まっすぐすぎて……なんかなぁ……オレ、まいった」


呆れたように、でもちょっと楽しそうに、イッペー君はそう呟いていた。



そして「あ!」って叫ぶ。