「振られたからって、この気持ちをなかったことに……なんてできないんだもん」


「あのさ……サク……」


「いいから! 最後まで聞いて!」

「はい」

「別に迷惑かけないから。
好きになって欲しいとか……ましてや、『付き合って』なんて絶対思わないし。
てか、そもそもそういうんじゃないの、この気持ちは!
先生が困るなら、できるだけ近寄らないようにするし。
だからこのままの気持ちでいさせて……」


「サクラぁ……それはしんどいぞ」


「わかってる。
けど、きっと諦める方がしんどい。
だから、先生よりも好きな人が現れるまでは先生を好きでいる!
先生に拒否権はないの!
あたしが勝手にそうしたいんだから!」


自己満足であり、自分勝手な言い分かもしれないけど。

言いたいことは全部言えた。


しばらく沈黙が続いた後、イッペー君は突然、ぶはって吹き出した。

さらにはお腹を抱えてゲラゲラ笑ってる。


「なんかパワフルやなー。すげーな、女子高生」

「そうだよ。女子高生のエネルギー源なんて恋が全てなんだから」

「なるほど……」


フフンッて鼻で笑うイッペー君。


「けど、その宣言、1つだけ訂正させて?」


そう言って、スッとあたしの顔を覗き込んできた。