「んー?」


あたしの顔を覗きこもうとしたイッペー君の顔をグイッと反対側にそらした。


「ダメ、先生、こっち見ないで」


「なんで?」


「なんでも! いいから! あたし今から宣言するから! だからこっち見ないで!」


「はぁ。どうぞ」


「んんっ」と咳払いするみたいに、あたしは喉を鳴らして姿勢を正す。


その様子にイッペー君はププッって笑う。

あーもぉ、やっぱムカつく。

でもくやしいけど、こういうとこもムカつくぐらい好き。


「今、決めたの! あたし、勝手に好きでいる!」