「ほんま、ごめん……」


そう言って、片手だけで顔を覆う。


「サクラの気持ちはうすうす感じてた。ひょっとして、そうかなぁ……って」


「はぁ……」


「だからちょっとつついてみたくなりまして……」


「何それ、かまかけるなんてサイテー。ひどすぎるし。からかっただけなんだ」


「からかった……んかな? うーん……なんか、それとも違うねんけどな。ごめん、オレちょっと混乱してる。つーか、最近情緒不安定」



さっきから何が言いたいんだろう。

軽くイラついてきた。


なんかあたしだけが深刻に悩んで、涙まで流して……。

そんなの全てバカバカしくなってきた。



ふいに窓の外に目をやると、大きな入道雲が見えた。


それを見た瞬間、目の前が開けたような気がした。


シュワ~ってサイダーの泡がはじけるような感覚。




「決めた!」