「イッペー君、何これー?」


みんなも同じように思ったのか、疑問を口にしてガヤガヤと騒ぎ立てる。


「んー? 読んだまんまやん。お前らの感性と文学的センスに期待してるから」


――キーンコーン

って、タイミング良いのか悪いのか、そこでチャイムの音。


「なんか質問あるヤツは、国語準備室にこーい」


イッペー君はダルそうに首を回しながらそう言うと、教室を出て行ってしまった。


その後を数人の男子が追う。


「イッペー君、雪合戦やろうぜ! 雪合戦」


雪合戦……って。

そんなにやりたかったのかい。


男って、ほんと子供。