ペッタンペッタンと聞こえてくるのは、サンダルの音?


いつもはオシャレには気を使ってます……って感じの服装なのに。


よっぽど急いできたのかな……。

今日は白いTシャツにくたくたのダメージジーンズを腰履き。

セットされていない洗いざらしの髪をかきあげ、ストンとあたしの横に腰を下ろした。

こんなワイルドな感じもなんだか新鮮で、不覚にもまたドキドキしてしまう。


「ほんま、ごめんな~。や、もう、焦った焦った! 起きたら9時やし」


「サイテー……」


「や、ほんまごめん……」


イッペー君の言葉はそこで止まった。

驚いたような顔をしている。


きっと、あたしの涙に気づいたから。


「も……来ないのかと思った……。あたし……このまま避けられちゃうのかと思った……ック……」