「……サクラーん?」


いつの間にかイッペー君に顔を覗き込まれていた。


恋を自覚してからというもの。

あたしの頭の中はイッペー君でいっぱいになってる。

時にはそれが暴走して、今みたいにちょっと恥ずかしい妄想しちゃったりしてる。


イッペー君とキスしてみたいな……とか。


こんな頭の中、もしも覗かれたりしたら……

死んじゃうぐらい恥ずかしい。



「サクラん?」


もう一度呼ばれてハッとする。


「ちょ……“サクラん”って、何よ! またヘンなあだ名つけて!」


「え? ヘンかな?」


イッペー君はクスクス笑う。