「え……と、あの……」

なんてモゴモゴ言っていたら、

イッペー君は、ぶはって吹き出す。


「お前はぁー、ほんま面白いなぁ。さっきから一人で百面相してるし。ま、えーわ。今日はもうこれで終わろっか。はいっ、オシマイ」


そう言って、トントンと教科書やノートをまとめるイッペー君。


「はい~」


あたしもプリントや筆記用具を鞄にしまいこむ。

残念……もう終わっちゃうのかぁ。


「あー……でもまだ時間あるなぁ……」


イッペー君はチラリと腕時計を確認する。

すると、なぜかポケットからライターを取り出した。


「先生……吸いたいの?」


「うわっ。無意識に出しとった!」


自分の手の中を見て驚くイッペー君。

ほんとに無意識の行動だったみたい。

コノヒト、時々、間抜けなことするなぁ……なんて思ったりして。