「多分、サクラは体のバランスがいいんやと思う。顔なんか、めっちゃちっこいやん。オレの手で余裕で隠せるもんな」


そう言って、イッペー君は手のひらをあたしの顔に向ける。


「うわぁ」


反射的に、ビクンって体を仰け反らせてしまった。

もう、ヤダ……。

さっきからかっこ悪い姿ばっかさらしてるし、あたし。


「そんなに驚かんでもええやん……」ってイッペー君はクックッと笑う。


あたしからすれば、イッペー君の方が嫌味なぐらい小顔だと思うけど。


「サクラって一人で立ってたら、普通に160センチぐらいある子に見えるねん。けど、こうして肩並べてみたら、意外にちっこいんかなぁ……って思って」


「そうか、156か……」ってイッペー君はブツブツ呟く。


「そういう先生は? 自分だってそんなに背、高くないじゃん」