「せ、先生……ちょっと外の空気を吸ってもよろしいでしょうか?」


「ぶ、何、その口調」


イッペー君はまたツボにはまったのか、ゲラゲラ笑ってる。

あたしはロボットみたいにぎこちない手つきで窓を開けた。


途端に強い風がびゅんと吹き込んであたしのおでこを全開にする。


「すげー。気持ちいい」


イッペー君は目を細めて満足そうに外の景色を眺める。

あたしはその横で、スーハースーハーと深呼吸。


もうだめ。

絶対酸素足りない。


こっちは“キュン死”で瀕死状態だというのに

イッペー君は「やっぱ、サクラってなんかおもしろいなー」って楽しそうに笑ってる。



「こんなの……全部、先生のせいなんだから」


ブツブツ呟くと、「ん?」ってイッペー君に顔を覗き込まれた。


「きゃああああ。見ないでくださーい!」


なんかもうわけわかんなくなって、うつむいてジタバタと騒いだ。

ああ……なんかもう、キョドりすぎだし。


最悪。