何の話?って尋ねようとしたその時、



「イッペー君! 早くー!」


誰かがイッペー君を急かす声がした。


「おう」と返事をしたイッペー君は歩き始めたものの、もう一度立ち止まってこちらを振り返った。


「あのガム、今もポケットの中にある?」


「う……うん」


「じゃ。食ってみ? 模範解答書いてるから」


ほんの少し顔を赤くしたかと思ったら

それだけ言って、走って行ってしまった。