触れそうになったその時……


「う~……」


と唸って眉間にシワを寄せるイッペー君。

まさに寸止めって感じ。


そしてパッとあたしから離れた。



「アカンっ。アカンねんっ。違うっ。今のナシ!! もー、オレ、何やっとんねん」


って大騒ぎながら、頭を抱えている。



「ほんと、何やってんの?」


イッペー君の背後からそんな声がする。


見ると、腕を組んだ芙美が呆れ顔でこちらを見ていた。


「はい! イッペー君、鬼ね」


芙美はポンとイッペー君の肩を叩くと、さっさと行ってしまった。