「ピンク―――!」


芙美の叫び声。

また捕まったのかな。

どうやら2度目の鬼になったらしい。



「せんせ……今度はピンクだよ」


「うん……わかってる」


イッペー君は手をあたしの頬に添えたまま、じっとあたしを見つめる。



なぜだろう……。


あたし、この先に起こることを予感してる。


これ以上先に進んだら……

心臓壊れる。

体も脳もぐにゃぐにゃに溶けてしまう。


少し怖い。

だけど指先すら動かせない。




「なぁ……。
今だけ、“先生”やめていい?」



甘く囁かれて。


どんどん顔が近づいてくる。


「ピンク見っけ……」


イッペー君は顔を傾けて、唇をほんの少し開いた。


その唇があたしの唇に――