イッペー君がうずくまっていたのは、廊下側、一番後ろの席のあたり。


あたしがさっき覗いた小窓からは、この場所は死角になる。

だから見えなかったんだ。


状況からさっするに……。


きっとイッペー君はこの席に座って居眠りをしていて……


そして寝ぼけて椅子から転がり落ちたんだな、きっと。

――ぷっ。ドジッ子。



「え? サクラ、どうやって開けた?」


相変わらずぼんやりした目であたしを見つめるイッペー君。


「どうやって……って。鍵開いてたし」

「ああ……そっか」


やっぱ寝ぼけてる。

イッペー君だって、ここから入ったんでしょうが。