「だって! 追いかけてくるから!」


「アホぉ。お前が逃げるから追うねん」



ハァハァって息遣いがどんどん近づいてくる。


「やだやだっ。こないでよ!」


「何でやねん。何で逃げるねん!」


「だって。困る……。近づかないようにしてるのにっ。先生のバカぁ」



あたしは中庭の隅にある用具入の裏に逃げ込んだ。

その途端、肩をぐいとつかまれた。


「きゃああああ」


「やっと捕まえた」