色鬼かぁ。

なつかしいな。

子供の頃、よくやった。


まず鬼が色の名前を言って、みんなが一斉に逃げ出す。

鬼が10数える間に、みんなは鬼の言った色を探して、その色のものを触る。

例えば今みたいに「黄色」って言われれば、タンポポとか。

指定された色を触っている人は鬼にタッチされることはない。

逆に見つからなければ、ひたすら逃げるしかなくて、鬼に最初にタッチされた人が次の鬼になる。




「雪合戦の次は、色鬼かよ!」ってツッコミを入れる芙美。


見れば色鬼をしているのは、2-Eのみんなだった。

もちろんイッペー君の姿もあった。


生徒と一緒になって、必死に逃げてるイッペー君はチラリとこちらを見た。


一瞬目が合ったような気がしたけど、あたしは慌ててそらす。



芙美の目がキラキラ輝き出す。


「あたしも参戦しよーっと♪」


鞄をあたしに押し付けると、さっさと中庭に駆けて行ってしまった。