芙美はあたしの前に回ると、鞄から取り出した鏡を掲げる。


「それに、この色、絶対、愛子に似合うって思ったんだ。うん、可愛いっ」


鏡の中には、ペパーミントグリーン色のシュシュをつけたあたしがいた。


柔らかな風が吹いて、シュシュとあたしの髪を揺らす。



「芙美ぃ……ありがと……」


乾きかけた涙がまた溢れる。


「もぉ、泣かない、泣かない! きっと良いことあるって」


そう言いながら、芙美はポンッとあたしの背中を叩いた。