ううん、と芙美は首を横に振る。


「どちらかと言えば、ホッとした」


「え?」


「愛子があたしに言えなかった理由がわかって。
ホントは言ってくれないことが寂しかったんだ。
でも、今ならわかるよ。そりゃ、悩むよね。相手が先生じゃさ」


「うん……」


「……で、どうすんの?」


「何もしない」とあたしは首を横に振った。


「っていうか、もう振られてんの、あたし」


「えっ」

と目を丸くして驚く芙美に、あたしはこの1年間に起こった出来事を簡単に説明した。