“先生”だから


“生徒”だから


好きになるのはダメなんだと。


どこかうしろめたいような、いけないことをしているような気分になっていた。


だから誰にも相談できなかった。


だけど、好きって感情はもっとずっとシンプルで


頭で考える場所とは違ったところにある。



それはきっと左胸のあたり。


だって、いつだってそこが反応していた。


彼の声を聞くたびに。


彼に近づいて……

香りを感じて……

触れた時。


あたしの心臓はいつも正直だった。



いくら頭で考えても『I LOVE YOU』の答えなんて出るはずもなかった。


プリントをハート型にくり抜いたのは、そんなあたしの素直な感情そのものだったんだから。