「普通の……のど飴でしょ……」


口に広がる味は、どこにでもあるのど飴の味。

大事に大事に取っておいたけど、それは口にしてみれば、特別なものでもなんでもなかった。



「うん……」


芙美はコクンとうなずく。


「でも……。あたしにとっては特別だったの」


「……」


「好きな人からもらったものだったの」


「愛子……」



「芙美、あたしね……。



イッペー君が……好き」