「痛ぇ……。ちょ、やること古すぎっ。マジでチョーク投げる先生、初めて見た!」


木村君のその言葉にまたみんなで笑った。


だけどあたしだけが上手く笑えなかった。


笑わなきゃ。

みんなと同じようにしなきゃ。


そう思えば思うほど、顔がひきつって……上手く笑えない。



唇が痙攣を起こしたみたいに震えて、視界がじわりと涙で滲んで……。


黒板の文字とイッペー君の姿がゆがむ。


慌ててうつむいたら、涙が一滴、ポタリとノートに落ちた。


あたしは拳をギュッと握る。


“好き”って感情はどうやったら無くなるんだろう。


教科書にも載っていない


“恋の終わらせ方”。



いくら考えても、あたしにはわかんないよ。