あたしは驚いて顔を上げた。


「知ってたって……」


「ずっと……お前のことばっか見てたから。
好きなヤツの好きな人ぐらいわかるよ」


「ええっ」


思わず身を乗り出して、菊池君に近づく。


「じゃ、じゃ、じゃ、ひょっとして、あたしが誰を好きか知ってるの?」


「ああ。
今、名前言っていいのかよ?」


菊池君はジロリとあたしを睨む。


「ダメ! ダメダメー! 言わないで!」


ブンブンと首を横に振った。



ああ、ヤバイ……。

菊池君にバレてたんだ。

あたしがイッペー君のこと好きってこと。