ゆっくりと顔を上げると、テーブルに片肘ついている菊池君と目が合った。


「……理由聞いてもいい？　つか、それぐらい聞く権利あるよな？」


コクンと頷く。


「……好きな人がいるの。片思いだけど。
菊池君のことももちろん好きだよ。だから、菊池君とつきあえたら楽しいだろうな……とか色々想像したりもした。
だけど……どうしようもないぐらい胸が苦しくなったり。
時々ムカついたり、思うようにならなくてイライラしたり悲しくなったり。
こんな風にあたしの感情を乱すのは……やっぱりその人だけなんだ」


しばらく黙り込む菊池君。

何か考え事をするかのように、眉間にシワを寄せ、それからゆっくりと口を開いた。



「……勝算は？」


「え？」


一瞬意味がわからなくて、キョトンとするあたしに、菊池君はちょっとイライラしたような表情を見せた。



「そいつと上手くいく可能性は何パーセントぐらいあるのかって聞いてンだよ」