二人の声が重なった。


一瞬目と目を合わせたあたし達は、プッと吹き出した。


菊池君はくすくす笑いながら「何?」と言う。


「あ、いや、先にどうぞ」


「じゃ……」


と話し始めた菊池君の言葉をあたしは「ああああー」と大声を出して遮った。


「なんだよ。うるせーな」


眉間にシワを寄せ、ちょっと迷惑そうな顔でこちらを見上げる菊池君。




「や、やっぱりあたしから話すよ」



そうだ。

ちゃんとあたしから言わなきゃダメだ。


あたしはベッドから立ち上がると、菊池君のそばにいって、ストンと腰を下ろした。


「あ、あのね……ちゃんと聞いてね」


「ああ」