「これ、お見舞い」


芙美から手渡されたビニールの袋にはマンガ雑誌やジュースが入っていた。


「わー。サンキュー」


あれからすぐに二人を連れて自分の部屋に戻った。

ビニール袋を覗き込みながら、あたしはベッドに腰掛ける。


芙美は何度もうちに来ているので、慣れた様子であたしの勉強机のイスに座っている。


菊池君はと言えば、突っ立ったままキョロキョロと視線を動かしている。


「あ……適当に、座ってね」


声をかけると、

「おお」

と小さく返事をして、ローテーブルの前に座った。



「もう大丈夫なの?」


芙美がイスをキコキコ揺らしながら、こちらを見ている。


「あ、うん。もう平気。明日から学校行くつもりだよ」


「そ。なら良かった」


イスから立ち上がってうーんと伸びをする。


「愛子の元気そうな顔見て、安心しちゃった。じゃ、あたし、そろそろ行くね」

と、近くに置いてあった鞄を手にする。



「へ? もう帰るの?」