「えっ! あ、うん」

「――だからな。どの教科でも言えることやけど。出題者が望んでる解答を探れ。
これって結構大事やねんで。相手の意図を汲み取って最善の答えを導き出す。これは社会に出ても結構役に立つんちゃうかなぁ……なんて……オレは思っとります」

「ぶっ……最後、なんで敬語?」

「や、なんか語ってる自分が恥ずかしくなった」


そう言って、両手で顔を覆う。


「あ、もう、オレこういうのほんまハズいわ。オレ、絶対、教師とか向いてへんよな」

「うん。先生ってなんか先生らしくない」

「やっぱり?」


片方の眉を上げるイッペー君。


「でもサクラも……意外と……」

口元に手を当てて、肩を揺らせてクックッと笑う。


「そこで止めないでよ。意外と……何?」


そんな言葉で止めないでほしい。

なんか、もやもやってなるじゃない。