その場で立ち上がったものの

足がよろけて、体が傾く。


――ポスン

ってあたしの体はイッペー君の胸の中。


「うわっ。ごめんなさい」


自分の力で立とうと思っているのに、思うように動いてくれない。

ふにゃぁ……って体の力が抜ける。


「おいっ。大丈夫か?」


イッペー君は片手であたしの体を支えると

もう片方の手であたしの頬、そしておでこへと順番に触れていった。


「お前っ、すごい熱やんっ。もー、アホか。こんな寒いところにおるから……」


「ごめんなさい……」


「ええって。んなことで謝んな」



イッペー君は自分のカーディガンを脱ぐと、あたしの腰に巻いた。

そしてフワリとあたしを抱き上げる。