夏休みに告白した時、あたしはたしかに振られたけど。


それでもあの時イッペー君は

「近寄られるのは迷惑じゃない」

って言ってた。


さらには「これからもよろしく」って。


それは勝手に好きでいることを許されたんだとあたしは理解していた。


それなのに、さっきイッペー君はあたしをはっきりと拒絶した。


あの時と今、何か心境に変化があった?



――菊池君?


「誰にも譲る気ねーから」


そう課題に書いて提出した菊池君。


あの日、腕を引かれて国語準備室から二人で出ていった。


あの状況からして、イッペー君は菊池君があたしを好きだってことに気づいた?