「いくら考えても……この気持ちを表すのにピッタリな言葉なんて見つからないよ……。先生を想う気持ちは言葉にならないっ」


泣きそうになるのを必死で堪えた。

ここで泣くのはずるい気がして。


――カチ……


イッペー君はまたライターを手にして、蓋を開けたり閉じたりしてる。


「無駄なことしたらアカン」


「え……」


「貴重な高校生活を無駄にすんな」


「……」


「どんなに想ってくれても、オレがお前の気持ちに応えることはない」


「いいっていったじゃん。好きになってもらえなくても。それでもいいってあたしっ」



すがるように見つめるあたしに、イッペー君は声を荒げる。



「だからそれが無駄やねん!」


「……せんせ……」


一瞬でも気が緩んだら涙が零れそうだった。

膝が震えて、指先が冷たい。


「サクラは……」