「うん。今からでも間に合うから、出せよ」


「いいよ。もう……」


あたしはイッペー君から目をそらした。


「あたし、ああいうセンスないもん。やっぱ国語力ゼロ。いくら考えても何も思い浮かばないし」


「別に難しく考えんでええねんで」


「でも……」


「とりあえず何でもええから。
あ……今書くか?
ちょっとでも評価に上乗せした方がいいやろ?」


イッペー君はそう言いながら机の中をゴソゴソと探ると、プリントを1枚手にした。


あたしはそれを受け取って、じっと見つめる。


「先生?」


「ん?」