そして、机の上に置いてあったライターを手に取ると、蓋をカチカチさせる。


「せんせ……それ、クセ?」


「へ?」


「よく、カチカチさせてる。うちのお兄ちゃんもよくそれやるから……」


「お兄ちゃん?……サクラって兄貴おるん?」


「うん」


「いくつ?」


「4つ上だよ。今大学生」


「そっか」


――カチン


ライターを閉じたイッペー君は

「あ、そうや……」

と、何かを思い出したように呟いてこちらを見た。



「課題出してへんの、サクラだけやで」


「えっ……課題?」