――ドクン、ドクン、ドクン

心臓がうるさい。



「あ……」


しばらく口をパクパクさせて……。


ようやく声を振り絞った。


「あのね……。あたし……」

「よくない返事なら……」


だけど菊池君の言葉で遮られた。


「よくない返事なら、すぐに答えるな」

「え……」

「オレのこと、ずっと考えてろよ。それから返事して」

「うん……」



コクンと頷いた。

そうしかできなかった。