連れていかれた先は、食堂前に設置されている自動販売機。


チャリンチャリン……

小銭を入れながらイッペー君は振り返った。


「サクラ、何飲むー?」

「え。いいよ! 自分の分は自分で買うし」


慌ててポケットの中に手を入れる。


「ええから。何飲むねん」


「じゃ……“牛乳屋さんのコーヒー”で」


「ぶはっ」



何がツボにはまるのか、イッペー君は「牛乳屋さんて……」と呟くと、またゲラゲラと笑った。


そしてさらに「サクラって意外と……」って肩を揺らしながらブツブツ呟く。



なんなんだ、いったい。