あたしは数学みたく、スパーンって1つの答えが導き出せるものが好き。



国語の答えなんて、あってないようなものだと思わない?


何が間違いなの?

何が正しい?

それは誰が決めるの?


この物語で作者が一番伝えたかったことはどの部分でしょう?


んなの、作者に聞いてくださーい

って感じ。


ムキになってそのことを訴えると、イッペー君はますますゲラゲラ笑い出した。


その声があまりにも大きかったので、「小寺先生」と隣に座るベテランの山本先生に注意されたほどだ。


「あ、すみません」


とイッペー君は肩をすくませた。



「ほらっ。サクラのせいで怒られたし。最悪っ」


「ちょ……それあたしのせいー?」


口をとがらせて文句を言うと


イッペー君はクスクス笑いながら席を立った。



「じゃ、ちょっとあっちでじっくり話そうか」