桜の季節も

太陽がまぶしい夏も

あの後夜祭の夜も

雪が舞い散る日も


あたしがイッペー君に恋してる間……

あたしの知らないところで、

あたしのことを想ってくれた男の子がいたんだ。



右斜め後ろ。

チラリと振り返る。


あたしがこの席からイッペー君を見つめていた時……


菊池君もあたしのこと見ててくれたのかな……。



誰かに想われるなんて初めてで……

ちょっとくすぐったいような

なんだか不思議な感覚。


意識するな……っていう方が無理。


その後の授業は、全神経が右側に偏っちゃったんじゃないか……って錯覚するぐらいだった。


右の肩から背中、右腕がジリジリと熱い……。




――そして放課後がやってきた。