ガバッと顔を上げた。


「マジ?」

「ん。マジ」

「そんなの……言われなきゃ、わかんないよ」


フゥとため息を吐く。


「いつから……?」

「あたしが知ったのは2年になってすぐぐらいかな」

「そんなに前から?」


思わず大きな声が出ちゃって、慌てて周囲を見渡した。

誰もこちらを見ていないことにホッとする。


「菊池、2年も同じクラスになれて、うれしそうだったよ」


そう言われて思い出した。

始業式の朝。

中庭にいたあたしに、この教室から声をかけてくれたんだよね。


『オレらまた同じクラス~!』って。


――そっか。

あの時、そんな風に思ってくれてたんだ……。