「菊池に何か言われた?」


お昼休み。

サンドイッチを頬ばった芙美があたしの顔を覗き込む。


「え……と……」


斜め後ろをチラリと確認する。

菊池君はいつも食堂で食べているから教室にはいなかった。


「うん。放課後、残ってて……って、言われた」

「おぉー」

「これって……そういうことかな?」

「そういうことでしょ」


芙美は驚くでもなくニヤニヤ笑ってる。


「なんで~……」


あたしはふにゃぁと崩れて机につっぷした。


「ねぇ、芙美は気づいてたの?」

「気づいてたっつーか、相談乗ってたし」

「えぇ!」