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芙美からの電話を切って

お風呂に入って

お布団にもぐっても

さっき聞かされたイッペー君の言葉が頭の中で繰り返し思い出された。


“後悔しないように”って、最後の言葉が。



イッペー君は……後悔してる。

高校生の頃の恋をあの空き教室に置き去りにしたまま。


彼女への想いをずっと抱えてる。


その想いが消えることはないのかな。


ほんの少し近づけたような気になっても、それはやっぱり気のせいで……。


可能性がないことぐらいわかってるのに。

それでも現実を知るたびに、胸が痛む。


震える唇をギュっと結んだ。


目を閉じたら

涙が一筋流れた。