「じゃ、遠慮なくいただきます」


慌てて顔をあげるあたし。


イッペー君はタバコを咥えたまま軽く口の端を上げる。

あたしのチョコをコートのポケットに入れ、自転車にまたがる。


「今日は絶対寝ろよ! 明日眠そうな顔してたらお仕置きするからな」

「はぁ? お仕置き……?」


お仕置きだなんて……

突然のオレ様発言に驚いて目をパチパチさせる。

なのにイッペー君はさらにからかう。


「そらもう、あんなことやこんなことや、色々とな」

「えぇ……あんなこと? こんなこと?」


なんだかよくわからないけど。

意味深な言葉にヘンな妄想が膨らみそうになって、顔が熱くなる。

きっと真っ赤になってると思う。