……かと思ったら。


ムニッてひっぱられた。


「お前はなぁ……色々、難しく考えすぎっ」

「ふぇ?」

「ほんまに。大胆なんか繊細なんか……わからんわ」


そう言いながら、ほんの少し手を緩めて……ムニムニと頬を触わる。


「つーか、これ。めっちゃ柔らかいねんけど」


クックッって笑う。


「餅みてー」


そして最後にビヨーンとひっぱると、パッと手を放した。


「痛いっ。もぉ、何すんのよー」


涙目で文句を言うと、イッペー君は口元を押さえる。


「あかんわ。オレ、なんかサクラ見てたらいじりたくなる」

「いじりたくなる? それどういう意味よー」


プーって頬を膨らませて文句を言うとまたクスクス笑う。


そしてじっとあたしの顔を覗き込むと、ポンッと手を頭に乗せた。


「うわっ」