「先生は家どこなの?」

「んー、オレ? オレは川瀬町」

「えっ。川瀬町?」


川瀬町といえば、今いる場所とは、学校を挟んで逆方向だ。

ということはまっすぐ家には帰らずに、わざわざこっち方面に来たということになる。


「ひょっとして、先生も木村君の様子を見に来たの?」


「さぁ、どうやろうなぁ。オレ、金八っつぁんみたいなええ先生ちゃうからな。熱血とか性に合わへんし」


って否定する。

だけど、多分そうだったんだと思う。

イッペー君てこういう時、照れ隠しのためかわざとぶっきらぼうに言うから。


「で。……木村、どうやった?」


そう尋ねられて確信した。

やっぱり心配してたんだ。