それについていこうと、あたしも急ぎ足になる。


背の高い木村君とは歩幅が違うので、いつの間にかあたしは小走りになっていた。


「ちょ……木村君っ」


「何?」


木村君は迷惑そうにチラリとあたしを見る。


「お前、まさか慰めようとか思ってんじゃねーだろうな?」

「へ?」

「うわー。それだけはカンベン。んなんされたら、余計、かっこ悪いだろが!」

「ちっ…ちがっ。そうじゃなくて!」


もはや、信じられないぐらいのスピードで廊下を歩く(というか走っている?)あたし達。


すれ違う生徒が、何事か?……って感じで振り返る。


や、もう……。


この状態が充分かっこ悪いんじゃないかと。

そう突っ込みたいけど、息が切れて上手く話せない。


いつの間にか、追いかけっこみたいな状態になっていた。