廊下に出ると、木村君の後ろ姿が見えた。


「木村くーん」


走って彼を追いかける。


木村君はあたしに気づくと、立ち止まってくれた。


「何?」


無愛想に睨まれて、ちょっと怯む。

なんか怖っ。


「い、一緒に帰らない?」


ニヘラって笑ってそう言うと、木村君は「別にいいけど」ってぶっきらぼうに答えてスタスタと歩き出した。

慌てて後を追う。


「あのさ……」


二人の位置が並んだところで、話しかけると、木村君はさらに足を速めた。