「最後に見たキミの涙がオレの心の中から離れてくれません。
オレは今も、バカみたいにキミを想っています」



――シンッ

一瞬部屋の中が静けさに包まれた。

だけど……


「ぷっ」


誰かが吹き出すと同時に

「ひゃあははははは!」
「ぶははははっ。おまっ。ポエマーかよ!」
「ガラじゃねーし」

みんなが口々にからかう。


「だあああ。うっせ。あー、もうむかつく! もう、これでいいだろっ!」


木村君は菊池君の手からプリントをひったくると、イッペー君の机にたたきつけた。


そして「もう課題出したし、オレ帰るわ」

そう言うと、部屋を出ていってしまった。


残されたみんなは、まだ笑い続けていた。


イッペー君は黙ったまま、木村君のプリントをじっと眺めていた。


そんな中、あたしは無意識のうちに呟いていた。




「……あたしは……今の、良かったと思う」