そんな女の子達の頭を木村君はポンポンと叩く。


「お前らの彼氏だって頭ん中、9割エロだっつの」


女子から大ブーイングの嵐が巻き起こる中、木村君は鞄をごそごそと探ってプリントを取り出した。


「この課題だってさー」


それはさっきイッペー君の授業で配られたプリントだ。

『I LOVE YOU』を日本語訳せよ。

ってやつ。



「んなの、答えなんか1つしかないっしょ。『キミにいれたい』……みたいな?」


小首をかしげて、カワイコぶったポーズを取る木村君に、また女子からブーイング。

だけどかまうことなく木村君はイッペー君の机の鉛筆立てからシャーペンをひょいと抜き取る。

そしてほんとにプリントに「キミにいれたい」という文章とハートマークを書き込んでしまった。


「サイテー」


男子も女子も呆れ顔だ。