「おぅ」


イッペー君はお姉さま方の声援に応えて軽く手を上げた。

それに対してまた湧き起こる歓声。


「きゃー」だって。


ふーんだ。

デレデレしちゃって。


って、思った瞬間。



「スキあり!!」


男子から集中攻撃を受けたイッペー君の顔や頭は雪まみれになってしまった。



「うおおお。アホかお前ら!」


ブンブンと首を振って雪を払うイッペー君。


「オレを本気にさせてしまったね。後悔させてやる。ふははははは」


そしてしゃがんで雪をかき集めると、猛スピードで男子の一人を追いかけ始めた。



走る、走る、走る。