君の呪いも抱きしめるから、二人で笑う明日がほしい。



 家の近くにある公園は、もう劣化してブランコや鉄棒は錆び始めている。ジャングルジムはついこの前撤去された。

 ……懐かしいな。昔はここにシーソーもあったっけ。

 幼馴染とはしゃぎ回って、笑い合って。
 眩しい思い出に口元を緩ませながら、ブランコについた砂を手で払って座る。

 すると、公園の入り口の方からトボトボと、一人の男の子が歩いてくるのが見えた。
 その瞬間、脳内に映画のワンシーンのような映像が流れてくる。

 一人で泥だらけのサッカーボールを蹴っている男の子。
 公園の入り口近くにいたからか、リフティングで間違えて蹴ってしまったサッカーボールは道路に転がっていく。
 そしてボールを取ろうと道路に出ると、車の激しいブレーキ音が耳をつんざいて……。

 最悪だ。見たくなかった。ほとんど様子は今と変わらないし……というか服装が同じだ。
 私は気がつけば、ブランコを立って公園の入り口の方に向かっていた。

 
 そして男の子が蹴って転がってきたボールを足で止め、男の子に蹴り返す。

「……ありがとうございます」
「リフティング、上手だね。将来はサッカー選手?」
「……僕にはなれないし、ただやってるだけです」
「そっか。でも夢、叶うといいね」

 にっこり微笑むと男の子は、照れたように少しだけ笑って頷いてくれた。

 ……すごく純粋だ。尊い。

 それから「じゃあね」と手を振って公園から出ると、私はわずかに目線を下にやる。
 あの男の子は、昔の琉真みたいだった。

『ふたりに“かくしごと”はなし。やくそくね』

 五歳で交わした約束を、琉真は覚えているだろうか。

 ……私が言い出した約束なのに、私が破ってどうするんだろう。

  ◇◇◇

 全てが変わり始めたのは、これから一年先の、卒業式のことだ。