ずっと実家暮しだった一織さんが、一人暮らしをするため引越しをした。
芸能の仕事柄、帰宅が深夜になったり、早朝に家を出たりと、どうしても不規則な生活になってしまう。
それに、タチの悪いファンが自宅の周辺をうろつき、家族に迷惑をかけることもあった。
そんな事情もあって、思い切って家を出ることにしたのだ。
VECTAのメンバーに紹介してもらった不動産屋で、1LDKの部屋を契約したと聞いた。
都内の落ち着いた住宅街にあり、仕事場へのアクセスもいい。
そして、何よりセキュリティがしっかりしている。
引越し後に、早速、一織さんから
「部屋片付いたから、遊びに来て。」
と声をかけてもらった。
一織さんが俺の実家に来たことはあったが、俺が訪ねるのは初めてだ。
大好きな人の部屋に行けるという喜びと、緊張で胸がドキドキして落ち着かない。
引越し祝いに何を贈ればいいかわからず、姉に相談してみた。
一織さんはコーヒーが好きだから、お揃いのマグカップはどうかと提案してくれて、二人で買いに行った。
同じ形で、ブラウンとアイボリーの色違いのものを購入した。
一織さんの部屋で、このカップで二人でコーヒーを飲む光景を想像したら、幸せすぎてニヤけてしまい、姉に「浮かれすぎ」とつっこまれた。
一織さんの部屋は、グレーとブラウンを基調にした、シンプルで大人っぽい部屋だった。
そして、驚くほど物が少ない。
フィギュア等ごちゃごちゃと物があふれていて、中学生男子の頃のまま成長していない俺の部屋とは対照的だ。
一織さんは、俺が持参した引越し祝いをいたく気に入ってくれて、
「この部屋に合ってるし、お揃いってのが最高。ありがとな。」
と言って俺の頬にキスをした。
照れてしまって、思わず
「感謝の仕方が海外スターすぎる。」
と茶化した。
「オレたち付き合ってるのに、表では手を繋ぐことすらできないじゃん。
この部屋にいる時ぐらい、圭吾にたくさん触れたいんだよ。
なんなら、飛びついて全身ベロベロ舐めまわしたいくらい。」
「飼い主の帰宅に大喜びする大型犬ですか?!」
「うん、オレ前世が犬だったのかも
(笑)」
そう言って、一織さんは俺に抱きついておでこや頬にたくさんキスをした。
勢いで耳たぶに唇が触れた瞬間、全身に電流が流れたみたいな感覚になって、ビクッと震えた。
「圭吾、かわいすぎ。」
耳元でそう囁いて、一織さんは俺の耳たぶを甘噛みした。
…本当に前世が犬だったのかもしれない。
それから、二人でコーヒーを飲みながら、VECTAの動画を観たり、たわいのないお喋りをしていたら、あっという間に夜になった。
「俺、そろそろ帰ります。」
名残惜しいけれど、明日はお互いに予定がある。
一織さんは、
「ちょっと待って。はい、これ。」
と言って、俺の手に小さな鍵を握らせた。
「合鍵。いつでも来ていいから。」
プライベートな空間に、いつでも出入りしていいということは、俺を完全に信頼し、特別な存在だと認めてくれているということだ。
胸がいっぱいになって、数秒ほど放心してしまった。
「圭吾?どした?」
俺の目の前で手をヒラヒラしている一織さんに、
「すごく、嬉しいです。」
と言ってキスをして、合鍵をギュッと握りしめた。
自分からキスをするなんて、以前の俺ならありえないことだ。
だけど、愛おしい気持ちが込み上げて、考えるより先に体が動いていた。
恋人からプロポーズされた人って、こんな気持ちなのかな?
芸能の仕事柄、帰宅が深夜になったり、早朝に家を出たりと、どうしても不規則な生活になってしまう。
それに、タチの悪いファンが自宅の周辺をうろつき、家族に迷惑をかけることもあった。
そんな事情もあって、思い切って家を出ることにしたのだ。
VECTAのメンバーに紹介してもらった不動産屋で、1LDKの部屋を契約したと聞いた。
都内の落ち着いた住宅街にあり、仕事場へのアクセスもいい。
そして、何よりセキュリティがしっかりしている。
引越し後に、早速、一織さんから
「部屋片付いたから、遊びに来て。」
と声をかけてもらった。
一織さんが俺の実家に来たことはあったが、俺が訪ねるのは初めてだ。
大好きな人の部屋に行けるという喜びと、緊張で胸がドキドキして落ち着かない。
引越し祝いに何を贈ればいいかわからず、姉に相談してみた。
一織さんはコーヒーが好きだから、お揃いのマグカップはどうかと提案してくれて、二人で買いに行った。
同じ形で、ブラウンとアイボリーの色違いのものを購入した。
一織さんの部屋で、このカップで二人でコーヒーを飲む光景を想像したら、幸せすぎてニヤけてしまい、姉に「浮かれすぎ」とつっこまれた。
一織さんの部屋は、グレーとブラウンを基調にした、シンプルで大人っぽい部屋だった。
そして、驚くほど物が少ない。
フィギュア等ごちゃごちゃと物があふれていて、中学生男子の頃のまま成長していない俺の部屋とは対照的だ。
一織さんは、俺が持参した引越し祝いをいたく気に入ってくれて、
「この部屋に合ってるし、お揃いってのが最高。ありがとな。」
と言って俺の頬にキスをした。
照れてしまって、思わず
「感謝の仕方が海外スターすぎる。」
と茶化した。
「オレたち付き合ってるのに、表では手を繋ぐことすらできないじゃん。
この部屋にいる時ぐらい、圭吾にたくさん触れたいんだよ。
なんなら、飛びついて全身ベロベロ舐めまわしたいくらい。」
「飼い主の帰宅に大喜びする大型犬ですか?!」
「うん、オレ前世が犬だったのかも
(笑)」
そう言って、一織さんは俺に抱きついておでこや頬にたくさんキスをした。
勢いで耳たぶに唇が触れた瞬間、全身に電流が流れたみたいな感覚になって、ビクッと震えた。
「圭吾、かわいすぎ。」
耳元でそう囁いて、一織さんは俺の耳たぶを甘噛みした。
…本当に前世が犬だったのかもしれない。
それから、二人でコーヒーを飲みながら、VECTAの動画を観たり、たわいのないお喋りをしていたら、あっという間に夜になった。
「俺、そろそろ帰ります。」
名残惜しいけれど、明日はお互いに予定がある。
一織さんは、
「ちょっと待って。はい、これ。」
と言って、俺の手に小さな鍵を握らせた。
「合鍵。いつでも来ていいから。」
プライベートな空間に、いつでも出入りしていいということは、俺を完全に信頼し、特別な存在だと認めてくれているということだ。
胸がいっぱいになって、数秒ほど放心してしまった。
「圭吾?どした?」
俺の目の前で手をヒラヒラしている一織さんに、
「すごく、嬉しいです。」
と言ってキスをして、合鍵をギュッと握りしめた。
自分からキスをするなんて、以前の俺ならありえないことだ。
だけど、愛おしい気持ちが込み上げて、考えるより先に体が動いていた。
恋人からプロポーズされた人って、こんな気持ちなのかな?


