文化祭で推しができました

その姿を見た瞬間、天井がひっくり返ったかのようなめまいがした。

キラキラとした笑顔に、目が離せなかった。



いつも通りの体育館、いつも通りの部活、いつも通りのメンバー、いつも通りの練習。

いつもと違ったのは、ステージの上。

制服姿の男集団が楽しそうに騒いでいて。

「文化祭の練習だよ」

休憩中、見ていたことがバレたようで、横から先輩が教えてくれた。

「ステージで何するんすか?」

「あのビジュ見て分かんない?うちの学校のアイドルたちが集まってんだろっ」

「へー…」

アイドル?

『バーンして♡』

つい先日、夜な夜な作らされた姉ちゃんのうちわを思い出す。

「歌って踊れる男しか好きじゃない」

「…は、はぁ!?」

「あ、いや、姉の口癖で…ダンス発表ですか?うちの高校そんなのあるんすね!すげー、楽しみ」

「ステージはオーディションで勝ち残ったグループしか上がれないから、選ばれし者たちなんだぜ」

「まじっすか!」

姉の影響でしょっちゅうアイドルのライブやオーディション番組を見せられているので、少し興味が湧いた。

高校生って感じの青春で、胸が躍る。

一軍、一軍ってやつだよ…と先輩が肩に腕を回しながらステージ上のメンバーを紹介してくれる。

ちょっと皮肉めいているが、先輩も彼らに少しの憧れがあることが滲み出ていて笑えた。

ビーーーーー

休憩終了のタイマーが鳴り、タオルを置いて練習へ戻る。

ステージ上のアイドルたちのことなんてすっかり忘れて、強烈なアタックを何本も何本も捌いて、疲れ果てて床に転がっていたときだった。

この曲、

無意識に目を向けると、そこには眩しいくらいの笑顔で踊る人物がいた。

ドクンッと頭に血が上ったのがわかる。

ちゃんと見たくて、気がついたら起き上がって前のめりになっていた。

「かっこ、、よすぎるだろ、、」

さっき先輩から聞いたメンバー紹介の中の…誰だっけ…

一番クールで頭が良くて無口で、たまに笑う顔が沼…

高田 陸(タカダ リク) さんだ!