君はSSS賞

 ——はらはら。
 一年ぶりの再会、楽しみだけど……。

 世那くんから帰国の便が決まったと連絡があったのは、合格発表の翌日だった。三月の最初の土曜日、早朝に到着予定らしい。
 ……世那くんに会えるまであと一週間切ってるんだ。
 会ったときにどんな気持ちになるのか、すごく楽しみだなぁ。早く、顔が見たい。

 迎えに行こうか迷ったけど、長時間のフライトで疲れてるだろうと思ってやめた。すぐに会いたい気持ちを、ぐっと堪えた。

 帰国の前日の夜、世那くんからメッセージが届いた。

『今から飛行機乗るね。
 俺、無性に鍋食べたくなっちゃっててさ。
 明日の昼、鍋しようよ。家来て。
 お土産も渡したいし! じゃ、また明日』

 明日の昼、会えるんだ……。
 スマホを持つ手に、ぎゅっと力が入った。
 一年ぶりだよ。しかも、帰国してすぐに僕を誘ってくれた。
 ……どうしよう、嬉しすぎる。

 高鳴る気持ちを落ち着かせるために、これから寝るまでの時間は穏やかに過ごそう。明日に備える、と決めた。

 ……眠れなかった。

 目を閉じると、世那くんの笑顔が浮かぶ。
 いつもどおりに話せるかな。
 それに、伝えるつもりの言葉を頭の中で唱えただけで、心臓がどくんと跳ねて、その後もどきどきが治まらない。
 ……こんなの、本人を目の前にしたら絶対に無理じゃない?

 寝不足でぼーっと朝ごはんを食べていると、世那くんから連絡が来た。

『今着いた! 十二時ぐらいに来れる?』
『お疲れ様でした。行けます! 食材買って行きましょうか?』
『助かるー。つゆとか具材、おまかせしていい?』

 僕はスーパーで野菜とお肉、和風出汁の鍋つゆ、そしてアイスを二つカゴに入れ、レジへ向かった。

「あ、こんにちは。覚えてる?」

 僕が向かったレジにいたのは、ゲーセンで会った以来の晴さんだった。

「晴さん! こんにちは!」
「久しぶりだね。世那、そろそろ帰ってくるんじゃない?」
「今朝着いたみたいなので、これから……」
「会うんだ?」

 晴さんは意味ありげに笑った。

「? ……はい! お家にお邪魔する予定です」
「そっか。じゃあ、よろしく言っといてね」

 そのまま、世那くんの家に向かった。

 インターホンを押すと、すぐに鍵の開く音が聞こえた。ドアが開く。

「世那くん! おかえりなさい」
「ただいま、りっちゃん」

 ずっとずっと、会いたかった世那くん。

 ああ、無理。画面越しと実物では破壊力が違いすぎる。
 胸がどきどきして、うまく息ができない。

 少し痩せたような気がする。でも、それ以外は変わっていなかった。
 ……やっぱり、かっこいいなぁ。